主要路線の減便内容から航空会社の考えを探る
こんにちは。
昨今の新型コロナウイルスによる影響で、需要が減退していることから、航空各社は減便をしています。
そこで、主要路線の減便内容から、各航空会社がどのような意図で減便しているか、また、航空会社ごとに傾向は出ているのかを探っていきます。
対象路線:羽田ー札幌、大阪、福岡、沖縄
(大阪は伊丹、関西、神戸の3空港とも対象)
ダイヤは、当初予定の夏ダイヤと4月4日を比較
※運休便は概ね期間で区切られていますが、例外もあるので、今回はある1日を対象にしています。
各路線の減便状況
○羽田ー札幌(新千歳)
運航率
羽田ー札幌 | 運航率 |
ANA | 87.5% |
JAL | 62.5% |
スカイマーク | 75.0% |
AIRDO | 54.5% |
合計 | 70.6% |
※AIRDOの運航率を修正しました(4/8追記)
ANAは、2便を減便しています。
30分間隔になっていた9時台と15:00発の減便です。
JALは、最終を含む6便を減便しています。
スカイマークは、昼間に2便を減便しています。
AIRDOは、5便を減便しており、運航本数の半分に迫る勢いです。
○羽田ー大阪(伊丹、関西、神戸)
運航率
羽田ー大阪 | 運航率 |
ANA | 82.6% |
JAL | 72.2% |
スカイマーク | 75.0% |
スターフライヤー | 100% |
合計 | 79.6% |
全体的に昼間の減便が目立ちます。
ANAは、伊丹行を1便、関空行を3便の計4便を減便しています。
伊丹行は最終間際に間隔が詰まっている19:00発を減便し、関空行は朝、昼、夜とまんべんなく1便ずつ減便しています。
JALは、伊丹行を4便、関空行を1便の計5便を減便しています。
伊丹行は昼以降を対象にし、概ね1時間半前後の間隔になるように減便しているように見えます。
関空行は昼間の1便を減便しています。
スカイマークは、昼間の2便を減便しています。
スターフライヤーは、減便なしです。
ちなみに、スターフライヤーはANAとコードシェアをしています。
○羽田ー福岡
運航率
羽田ー福岡 | 運航率 |
ANA | 94.4% |
JAL | 76.5% |
スカイマーク | 81.8% |
スターフライヤー | 87.5% |
合計 | 85.2% |
路線全体では、比較的高めの運航率を確保しています。
ANAは、15:45発の1便を減便しています。
JALは、特定の時間帯に偏らず4便を減便しています。
元々、間隔が詰まっていた時間帯を通常通りにし、昼間では間隔を空ける形になっています。
今回対象の4月4日は4便の減便でしたが、前後にあたる3日や5日などはこれらに加えて、6:15発も減便していました。
スカイマークは、昼間の2便を減便しています。
スターフライヤーは、10:15発の1便を減便しています。
○羽田ー沖縄(那覇)
運航率
羽田ー那覇 | 運航率 |
ANA | 100% |
JAL | 91.7% |
スカイマーク | 66.7% |
合計 | 90.0% |
4路線の中で、一番運航率が高いです。
元の本数が少ないことも大きいと思います。
ANAは減便なしです。
JALは8:55発の1便を減便しています。
スカイマークは、昼以降の2便を減便しています。
主要路線の減便内容から見えてきたこと
航空会社別運航率
4路線計 | 運航率 |
ANA | 89.9% |
JAL | 74.6% |
スカイマーク | 75.8% |
AIRDO | 45.5% |
スターフライヤー | 92.3% |
合計 | 79.9% |
ANAは、全体的に減便は極力少なくしようとしている印象を受けます。
唯一、積極的に減便している区間は、羽田ー関空ですが、コードシェアをしているスターフライヤーが減便無しであることも関係しているように見えます。
AIRDOが減便を多くした羽田ー札幌では、周囲の航空会社が大きく減便する中で、2便に留めるなど、コードシェア先の内容を踏まえて、減便内容を決めている可能性が考えられます。
また、減便の仕方としては、混雑時間帯の増発を取りやめる形が多く、運航間隔の維持を図るものが多いです。
元から異なる羽田ー那覇を除き、1時間に1本の維持を念頭に置いているものと思われます。
羽田ー札幌では、JAL単独で60%に近い水準まで運航率を下げています。
また、特定の時間帯に偏らずに間引き、全体的に減らす傾向が見えました。
時刻表を見る限り、JALは、2時間に1本が最低ラインと考えている模様です。
スカイマークは、どの路線でも2便の減便でした。
減便する時間帯は、昼間であることが多く、朝晩の輸送を維持しようとする姿勢が見えます。
AIRDOはかなり思い切った減便をしています。
北海道に非常事態宣言が早い時期に出されていたことも影響しているのでしょうか。
スターフライヤーは、今回対象の2路線に対する減便には消極的な模様です。
ここまで、主要路線の減便内容から航空会社の考えを探ってきました。
なお、今回はある1日との比較かつ主要路線のみであり、継続的かつ広範囲で見た場合に違った傾向が出る可能性はあります。
また、今後の状況の変化によって、対応の変化も予想されます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。